通し欄間とは、柱と柱の間のすべてに取り付けられたものをいいます。
欄間とは、採光と通風を行い、意匠上の天井と鴨居の間に設けられるものです。設置される場所や仕上げ、取り付け方によって呼び方が異なってきます。
また、書院とは、床の間の脇にある机と障子で構成された室内の部位のことをいいます。書院は、桃山時代に完成した建築様式の一つです。桃山時代の園城寺光浄院客殿、同勧学院客殿は、書院建築を代表する作品です。書院はもともと僧侶や貴族などの書斎として設けられたもので、現在でも装飾性の高い様式として、和風建築などにおいて活用されています。
書院の形式には、床の間から出窓風に張り出して設けた「付け書院」と、出窓形式ではなく机を設けない書院窓だけがついた「平書院」の2種類があります。書院の主室には、主に床、違い棚、付け書院、帳台構えを配しています。書院の窓に設けられる障子があります。また堅繁組み障子を用いた障子であり、書院の上部には、採光と装飾を兼ねた書院欄間が取り付けられています。