ユーティリティスペースとは、キッチンや洗面所に隣接して設けられる多目的空間のことをいいます。
ユーティリティスペースでは、洗濯物を干したりすることができ、雨の日にも重宝します。また、さまざまな用途として使うことができます。ユーティリティスペースは、半屋外に設置されたものですが、屋内に設置されたものについては、ユーティリティテラスと呼んでいます。
ユーティリティテラスとは、キッチンや洗面所とつながった半屋外のスペースのことをいいます。ユーティリティテラスは、ごみ置き場にしたり、洗濯物を乾かしたりするために設けたスペースのことをいいます。ユーティリティテラスでは、底の深い大型の流しのスロップシンクを設置したものもあります。
スロップシンクは、主にユーティリティスペースやバルコニーなどに設置して利用します。スロップシンクでは、室内において、なかなか洗いにくいもの、たとえば、換気扇や大きめのカーペットなどを洗ったりするときに使います。つまり、キッチンのシンクや洗面化粧台では扱いにくいものを洗うことができるため、ユーティリティテラスのようなスペースがあると、非常に便利なものとなります。またバルコニー側に設置して、植木の水やりや掃除などに利用できるようにすることもあります。ただしマンションのバルコニーなどに設置するような場合には、水漏れがないように階下への配慮が必要とされています。
なお、ユーティリティテラスは、住宅内で炊事や洗濯、掃除など、家事をする際の家事効率や家事動線を向上することができます。家事動線とは、家事を行うときの人の動きを追った動線のことをいい、住宅の間取りを考える際は、家事を行う場所としてのキッチンやユーティリティなどを、家事動線を考えて配置することをいいます。家事の効率は向上しますが、作業のしやすさについて検討する方法の一つとしてワークトライアングルというものもあります。
ワークトライアングルは、バランスよく配置されて、正三角形に近いほど、調理における作業効率がよいとするもので、三辺の総和が360センチ以上600センチ以内に納まるものを適切としています。なお作業のしやすさのワークトライアングルによる使いやすいキッチンレイアウトは、2列型とU字型を適切としています。工夫次第で、ワークトライアングルを検討することができる理想的なキッチン配置ができます。このワークトライアングルの考え方は、空間ゾーンを設定するための手法としても用いられることがあり、ゾーニング計画では、バランスのよい動線をつくるためのゾーン配置としてよく使われています。