釘隠しとは、長押(なげし)などに打った釘の頭を隠すために取り付ける装飾具のことをいいます。
釘隠しは、格式のある和風住宅で、柱やつり束と長押が交差した部分に打ち留めた大釘の頭を隠すために使う金物で、表面に見えないようにかぶせる装飾の一種です。釘隠しは化粧金具として、「釘隠し金具」「釘覆い」とも呼ばれています。
古い形では、菊座と座金からなる六葉形のものがあり、他には、金属性の板に彫刻を施したものや、七宝などの工芸品風など、さまざまな形式があります。
また、半球形の釘隠しのことを「唄(ばい)」といいます。釘隠しの素材としては、木、鉄、銅などがあります。
なお、長押は、柱の側面や鴨居の上部などに装飾としての目的で取り付けられる台形の水平材のことをいいます。