住まい・住宅関連の用語集

　公信力とは、登記上の表示を信頼して、登記名義人が真実の権利者でない場合でも、一定の要件にある者には、その権利が取得できることを認めることいいます。
　ただし日本の登記においては、動産以外は、認められていません。そこで、登記簿や登記記録などを信頼して、登記上の所有者から不動産を買い取っても、本当の所有者に対しては権利を主張することはできません。
　また不動産に「公信力」がないのは、登記官が現地調査を行わず、文書だけで登記を処理しているため、取引の実態を把握できないことによるものとされています。
　なお不動産登記とは、不動産の物理的状況と権利関係とを法的に明らかにした制度のことをいいます。土地や建物の面積や所有者、抵当権設定がされているのかどうかなど、外部から見ただけでは第三者には分かりません。そこで法務局が管理する帳簿(登記簿)に記載し、公開することで、取引の安全と円滑化を図ることにしたものです。
　所有権に関する事項は、権利部の甲区に、所有権以外の権利、抵当権などに関する事項は、権利部の乙区に記載されます。また不動産の所在や面積などの物理的状況は、登記簿の表題部に表示されます。