逆梁工法とは、通常、天井から出っ張っている梁を逆にして、床から立ち上げるようにした工法のことをいいます。
ほとんどの鉄筋コンクリート造のマンションは、柱と梁でできたラーメン構造でつくられています。コンクリート床スラブは、柱と柱を結ぶ梁の上に載せているため、室内では、天井から梁が出っ張ることになります。この構造では、梁部分が出っ張っているために、梁の下までしか窓の開口を取ることができず、家具等の配置においてもすっきりしないことになります。
しかし、逆梁工法では、梁の上にコンクリート床スラブが載るのではなく、梁の下側にコンクリート床スラブが設置されます。そこで、梁がスラブを吊り下げている状態になり、梁が床スラブから突き出ることになります。またこの突き出た梁の上に床板を敷いて二重床とし、床下を収納スペースや配管スペースとして活用することができます。
なおバルコニー側に柱を出すアウトフレーム工法を組み合わせた「逆梁アウトフレーム工法」が採用されることがあります。アウトフレーム工法とは、柱や梁を室外に出すマンション建築工法の一つで、「アウトポール」ともいい、柱や梁を室外に出すために、室内に出っ張りがなくなります。そこで建物の内部、室内空間の利用度が高まり、家具や設備の選択や配置においても苦労がなくなります。
「逆梁工法」では、天井まで開口できる窓を設置することができますが、天井高さが低くなるために、階高を十分に取る必要があります。