田の字プランとは、居室とリビングは田の字型に配されているプランのことをいいます。田の字プランでは、中央に水廻りがあって、廊下は真ん中に延びています。
このプランのメリットは、マンションや集合住宅において、住戸数が多くとれる間取りとなります。
ただし、田の字型プランでは、通風性や生活動線が単調で、通路に面する場合は、プライバシーについて問題があります。
建物には重さの中心としての「重心」というものがありますが、それとは別に、地震の時などに、その揺れに耐えようとする建物が持つ強さの中心点、「剛心」というものがあります。地震が起こると、建物に水平の力が加わり、その力が重心に最も強く働くことになります。
建物の一番強い部分は剛心であるため、重心と剛心の距離が離れていると、そこに「ねじれ」が起こして建物に損傷を与えてしまうことになります。
田の字プランの住宅は、構造的に安定しているため、地震に対する耐震性能も高くなります。耐力壁などをバランスよく配置すると、重心と剛心の距離を近づける設計が可能となります。「ねじれ」現象を避けられると考えられます。