住まい・住宅関連の用語集

　囲繞地通行権とは、ある土地が他の土地に囲まれて、袋地のような公道に出ることができない場合に他の土地を通行する権利のことをいいます。
　囲繞地通行権は、通行権の一つです。囲繞地とは、他の土地に囲まれた土地のことをいいます。囲繞地通行権は、公道に出ることができなく、袋地になっている場合には、その土地を通行できる権利です。
　囲繞地通行権は、周囲の土地にとって、最も損害が少ない場所について、公道への最短距離として利用できます。
　なお、この公道に出るために囲繞地から他の土地を通行できる「囲繞地通行権」のほかに、自分の土地の利便性を高めるため、他人の土地を利用することができる権利、地役権というものがあります。
　地役権は、契約に基づいて他人の土地を通行できる権利の「通行地役権」、他人の土地を利用して水を引く「引水地役権」、眺望を確保するための「眺望地役権」などがあります。地役権は、原則として当事者の契約によって生じますが、袋地所有者の囲繞地通行権は、土地の位置や形状から生じている相隣関係によるもので、契約に基づくものではないという違いがあります。
　そのため、囲繞地通行権は売買などで、土地の所有者が変わっても消滅することはありません。地役権については、登記することができますが、地役権の登記は、所有者とともに移転しますので、移転登記は不要です。